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「求人広告は産業構造を変える」という言葉から考える、就職情報会社が担うべき役割

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今日こんな記事を目にした。

求人広告の制作担当でありながら、リクルート創業者である江副浩正さんの「求人広告は産業構造を変える」という言葉を知らなかった。

恥を承知で、この記事を読んで考えたことをまとめておきたい。

目次

江副浩正さんが残した「これからの社会で求人広告の果たす役割は何か」

1972年、同社社内報の『かもめ』の第8号に、江副浩正さんは次のようなメッセージを掲載している。以下は上記常見さんの記事からの引用である。

“これからの社会で求人広告の果たす役割は何か”の問題について、10の項目に整理してみたい。
1.求人広告は働く人の労働条件を向上させる
2.求人広告は産業構造を変える
3.求人広告は採用コストを低減する
4.求人広告は人と仕事とのよりよい結びつきを実現し、そのことによって人の生活を豊かにする
5.求人広告は産業教育を受け持つ
6.求人広告は働きたい者を増やす
7.求人広告は企業間競争の有力な武器となる
8.求人広告は社員のモラール(やる気)を上げる
9.求人広告は企業の経営理念・社風を創る
10.求人広告は働く人に自由と安心を保障する

正直、記事を書かれている常見さん同様、「こんな役割もあったのか」と感じるものもあった。特に2や8はこれまであまり意識したことのないものであったし、9に関しては求人広告で寄与できる部分も確かにあるのかもしれないと気づきを得た。

「求人詐欺」が社会問題化している昨今、就職情報会社は存在意義を問われている

この常見さんの問いかけにはっとした。その理由は、「採用決定」という観点以外に求人広告の役割を日常で見いだせていなかったからだ。

確かに採用決定は重要であり、ここにすら向き合えていない低レベルな広告制作者も実際にまだ大勢いる。しかしそんな状況に甘え、「下には下がいる」といつしか安心してしまっていた高慢な自分がいることに気づいた。

採用成功はあくまで通過点なのだ。その後転職者と企業がともにwin-winな関係を築くことができ、その結果アウトプットとして世に新しいものが生み出されて初めて“真の採用成功”だと言えるのであろう。

今後求人広告は、より「情報精度」が求められる


例えば私がこれまで作成した求人広告において、「ウソはひとつもなかった」とは言い切れない。

もちろん意図的にウソを記載したことはないが、給与や休日などの数値を正確に全件確認したのかと言われればそれはできていないからだ。

制作者からすれば、「そこまで確認できる余裕はないし、きりがない」というのがいいわけになるのだろうが、転職者からしてみればそれは全く関係のないことである。

この記事にも書かれているように、「当サイトに掲載されている求人広告には、ウソが1つもないことを約束します」というブランディングができれば、まちがいなくそのサイトは転職者から選ばれるものになるはずだ。

その根拠は、楽天とAmazonを比較すると分かりやすい。情報精度(信頼性)という観点でいうと、現状は圧倒的にAmazonに圧倒的軍配が上がる。だからこそAmazonは売上を伸ばし、楽天は伸ばし切れていない現状があるのだろう。

情報精度はもちろん、人が天職を見つけやすい世の中にすること

今後より働き方や企業のあり方が多様化し、世に出る情報はさらに煩雑になることから、「情報の精度を保証する」ことは求職者から強く求められるに間違いない。

しかし、それだけでは不十分。江副さんが言うように、求人広告で産業構造を変え、より多くの人が自分を偽らずに楽しく働ける環境をセレクトしやすくなるように、ぼくら求人広告制作者は責任を全面に背負って新しい価値を創造しなくてはいけない。