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イチ求人広告制作者が、リモートワークをする理由

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リモートワークの是非がいろんなところで議論される中、ぼくも約半年前から必要に駆られてリモートワークをスタートしました。

その実施理由を改めて整理してみようと思います。

リモートワークを導入した背景

営業から制作へ異動したのは4年前。うちの制作部隊では、評価指標を「生産量」「決定率」「NPS(≒お客様満足度)」の3つを中心に設定しています。

制作として2年ほど経験を積んだ頃には、目標値の1.5倍程度は量も作れていたし、決定率もNPSも一定の水準に達していました。

しかし、それはあくまでも「社内の制作者」と比較した場合であり、ずば抜けた状態でもなければ、外部のその他広告制作者と比較したものではありません。まさに井の中の蛙でした。

自分の広告を見て「つまらない」と思った

自分が作った求人広告を冷静に見ると、「わざわざ見にくるほどの情報じゃなくない?」と思ってしまうこともしばしば。ネットに情報が溢れる中で、見る価値の少ない広告を作ってしまっているのではとすら感じました。

それ以上に、「見てて楽しくないな」と感じてしまったのです。

しかも、自分が興味を持って見ている転職情報サイトはWantedly、Green、日本仕事百貨、採用目的のオウンドメディアなど。今は転職するつもりはありませんが、これらを見ているときは「こんな会社(仕事)があったんだ」とワクワクするのです。

これは正直やばいと思いました。

価値ある広告を作るために、やれることを考えた

人が見たくなる広告を作るために、できることは大きく2つ。

  1. アウトプットを磨く(ライティング力・デザイン力等)
  2. インプットを増やす(収集する情報の質・量)

始めは1.アウトプットばかりを向上させようとしてました。ライティングやデザインの本を片っ端から読んでマネしてみたり、自分の作ったものをできるだけ人に見てもらえるように晒したり……

でも気づいたのは、「デザインやライティングだけで差別化できるほど天才じゃない」ということ。(当たり前ですねw)

美大を卒業している人なんかは、小さいときから絵を書いてるし、幼いときから小説を読みまくって魅力的な文章を書く人はたくさんいます。そこにわずか2年で太刀打ちしようとするのは虫が良すぎました。(もちろん、継続努力は必要です)

そこで2.インプットの重要性に気付き、それを最大限、量・質ともに高めようと考えるようになったのです。

インプットを爆発的に増やすには、リモートワークが必要不可欠

つい先日、週刊文春でユニクロに1年潜入した横田さんの記事がありました。普段雑誌は買わないのですが、この記事だけはどうしても読みたくてわざわざ買いに行ったほどです。

内容は文字が中心。もちろんプロのキレイな文章でしたが、特段変わったものではありません。

それでもこの情報をお金を払ってでも見たくなったのは、「1年潜入して取材した」から。こんな情報は、ネットのどこを探してもありません。 とても貴重です。

つまり何が言いたいかというと、「営業が受注し、勝手に設定した2時間程度の取材だけでは、ヒアリング・ライティング・デザインなどが一定レベル以上であっても、本当に価値ある広告(記事)はできない」ということです。

さすがに1年も潜入取材をすることはなかなかできませんが、制作者が外に出る時間を増やし、取材はもちろんそれ以外でもいろんな人に会い、場所に出向き、体験し、ネットにはない情報収集をすること。これが価値ある情報を発信するために必要なことであると気付きました。

早速それを実現するために、以下のような取り組みをスタート。

  • 取材前(提案時)からお客様先に足を運ぶ
  • 自分で取材内容(コンセプト)を決定し、対象者のアサインやロケハンも行う
  • 掲載後もお客様先に訪問し、必要に応じて原稿修正・追加情報収集する

いずれも事あるごとにお客様と接点を取って、情報収集を実施しました。すると、必然と外出が増えます。多いときでは週10件程度の訪問数となり、営業メンバーとさほど変わらないほどになりました。

そうなってくると、会社に戻らないと仕事ができない環境では、物理的に制作時間が確保できなくなります。その解決策として、リモートワークがどうしても必要だったのです。

リモートワークは手段であり、目的ではない

上記はあくまでも、イチ制作者が自らの課題を解決しようと選択したやり方なので、必ず制作者全員に当てはまるわけではありません。それぞれに課題があり、解決策は違うはずです。

ただ、ぼくのようなクリエイティビティが少ない人間が、他では見れない価値ある広告を作ろうと思ったら、手っ取り早いのが「外に出てインプットを増やすこと」でした。

「リモートワークを導入するべき・しないべき」といった議論が先行しがちですが、大事なのは何のためにリモートワークを必要とするのかという目的ではないでしょうか。