どの企業も欲しがるような優秀層は、転職サービスに登録している率が少なかったという話
・40歳以下の建築系技術者
・35歳以下のIT、モノづくり系エンジニア
こういう方々って、みんな採用したいじゃないですか。
だから、なんとか採用成功できないかと日々考えているんですけど、
最近1つ疑問に思うことがあるのです。
「みんなが採用したがるような人気採用ターゲットの方って、転職サービスに登録せずに閲覧だけしてませんか?」と。
そう思った理由と根拠をちょっと書いてみます。
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最初はシンプルに「どれだけ考え抜いて求人広告を作成しても、狙い通りの人が応募こなくね?」と、なかば他責に近い形の発想でした。
しかし、自分が担当させていただいた企業様だけにターゲットからの応募が来ないなら自分の責任ですが、どうやら業界全体的にそんな様子。
そこで、データの面から事実を確認してみようと思ったのです。すると……
やっぱり専門的な経験がある人ほど、転職サービスに登録していない
という事実に行きついたんです。
調べ方は、「未経験OK求人」と「経験者限定求人」の2つの属性の広告サンプルを複数集め、求人広告全体の「PV」から「転職サービス登録者」の割合を出すことで比較することにしました。
その結果……
◎未経験OK求人⇒30~40% ※閲覧10人に3~4名がサービス登録者
◎経験者限定求人⇒6~9% ※閲覧10人に1名サービス登録者がいるかいないか
※それぞれサンプル10社程度用意しました。
やっぱり、明確な差が出ました。
経験者は転職市場において“潜在化している”
その理由はいろいろ考えられますが、
1.現職で忙しく、すぐには転職しないが情報収集だけしている
2.転職するとしても、すぐどこかの会社に採用される
3.ネットで情報収集だけして、転職サイト以外の方法で転職している
……etc
このあたりが濃厚ではないでしょうか。
取材等で転職経験者に話を聞いていても、特に1のような方は多い印象があります。「何かしら現状に不満を持っているけれど、すぐに転職するまでではない。」という状態です。
以前書いた施工管理技術者に関するエントリでも同様の内容に触れています。
転職潜在層を採用するにはどうしたらいいか
考えられる方法は大きく2つ。
1.いざ転職するとなった時に、第一想起してもらえるように印象づける
2.「今転職するべきだ」と口説く
1を実践しようと思ったら、転職サイトだけでなくあらゆる方法で自社に関する前向きで有益な情報を露出し続けることが必要です。
例えばオウンドメディアなんかも方法のひとつ。けれどこれには多大な時間と工数がかかります。地道にブランディングをするしかありません。
2は難易度が高いものの、1よりは即効性があります。そのためには転職潜在層の方と接点を取りやすいサービスを利用するのが有効です。
例えば昨今ひろく実施されている転職フェアなんかには、情報収集だけを目当てにした転職潜在層の方も多く参加しています。
そこでなんとか接点を取り、転職理由なども丁寧にヒアリングしながら、今転職をする意味を見出していくことでまさに口説き落とすことができるかもしれません。
転職サービスは、潜在層を含めて流動させる方法を確立する必要がある
「すぐにでも転職しないといけない」という方は、言い方は悪いですがほっといても企業に応募してくれるでしょう。
しかし企業が欲しがる採用ターゲットは、どちらかといえばすぐに転職する意欲のない転職潜在層に多くいることが多くなってきました。
いかにこのゾーンの気持ちを動かすか。ここを追求できる転職サービスだけが、この採用難のマーケットを勝ち抜けるのではないでしょうか。