「徹子の部屋」に見る黒柳徹子さんのインタビュー術から盗みたい1つのポイント
求人広告の制作担当になってから3年が経ちましたが、実はインタビューについて突き詰めたことって意外となかったことに最近気づきまして……なんとお恥ずかしい。
よりいい取材やインタビューをするために、ある本を買って読んでみましたところ興味深い発見がありましたので、一部引用しながら紹介したいと思います。
購入したのはこちらの本です。
2002年とちょっと古い本ですが、値段も安くて読みやすく普遍的なノウハウを学べる良書だと思います。
その中でも、印象に残った部分を一部紹介します。
以下本からの引用です。(一部ボリュームを抑えるため修正しています)
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『徹子の部屋』はインタビューのお手本である。事前にゲストのことを調べている。ときどきカメラの角度によって、テーブルの上に資料やメモがたくさん置かれているのが映る。たぶん、何を聞くのか、そこに書いてあるのだろう。明石家さんまやタモリはトークの名手ではあるが、言葉を引き出すインタビューの名手とはいえない。
勘のいいゲストは、黒柳から話題を振られなくても、「今度、こういうことをしようと思っているんですよ」と話を持っていくのだが、勘の鈍い人や素人だとそうはいかない。
そこで黒柳が巧みな話術を発揮するのである。巧みな話術といっても特別なことではない。「なんでもあなたは××なんですって」と黒柳はきっかけを出す。「そうなんですよ、じつは~」とゲストがその話を進めていけばいいが、「そうなんです」で終わってしまうと、重ねて「そのときあなたは××したっていうじゃないですか。ほんとにねぇ」と黒柳は話を進める。
なんだ、黒柳徹子はわざわざ聞かなくても、みんな知っているんじゃないかと思うのだが、しかし、自分が知っていることも、あえてゲスト自身の言葉で視聴者に披露すべく誘導していくのがホステスとしての役割である。
自分が知っていることもあえてゲスト自身の言葉で視聴者に披露すべく誘導していく
求人広告の制作担当として、日々なんとなく取材をこなしてしまうと、インタビュー時の質問内容がどんどん浅くなり、その答えも一般的な変わり映えのないものになってしまいます。
すると「あぁ、この人もまた同じことを言ってるわ」みたいに制作者自身が感じてしまい、その後作った広告もいつもと同じようなものになっていく……これは求人広告のあるあるじゃないでしょうか。
確かに同じような答えなのかもしれませんが、黒柳さんのように取材対象者自身の言葉でしっかりと語らせると状況が変わってくるのです。
例えば言葉のチョイスひとつとってもそうですし、イントネーションや抑揚、どのタイミングで表情が変わったかなど、言葉として表面に出ている部分とは別の感覚的な部分に触れることができるはずです。
そこから気になった部分を深ぼって質問していくことで、そのインタビューには深みが生まれ、他では聞けないならではの話へと昇華していくことでしょう。
盗みたいポイントまとめ
結論、取材対象者についての事前準備を念入りにした上で、自分が喋りすぎずあえてインタビュー対象者から言葉を引き出し、視聴者が本当に聞きたい内容へ誘導する。
この姿勢があって初めて、取材により有益な情報が得られるのだと感じます。
事前準備をしっかりすると、つい自分が知っていることを喋りたくなってしまいますが、そこをぐっとこらえて取材の本目的を達成することが何よりも重要と言えるでしょう。